大学ホームページに「教師の学び舎」について掲載されました。教職大学院で行うグローバルプログラムの内容についても紹介できました。
大先輩 田中教授とコラボさせていただきました。高校の先生方の思考の深さと、目の前の生徒がもうすぐ社会に出るという意識が高いために社会の変革に敏感でおられるところに感服しました。
「新学習指導要領の着実な実施へ向けて」をテーマに,「教師の学び舎」第10クールを6月から8月にかけて3回にわたり開講し,35人が受講しました。
「教師の学び舎」は,「府立高校教職コンソーシアム」(*)の加盟校及び大阪府内の公立高校の教員を対象に,授業力向上や生徒指導,ICT教育など様々なテーマの講義を提供しています。
第10クールは,各回で講師が変わるオムニバス形式で実施しました。峯明秀教授(大学院連合教職実践研究科副主任)が「学校で「探究活動」を効果的に進めるために」,森実教授(教職教育研究センター)が「ダイバーシティと人権の教育」,柏木賀津子教授(大学院連合教職実践研究科)と田中滿公子特任教授(大学院連合教職実践研究科)が「グローバル時代の教師を育てる」と題して講義しました。
峯明秀教授は,学習効果を高めるために意識的な工夫を凝らすことが,学習の実感や手応えを促し,「できそうだ」という自己効力感を高めることを解説し,探求学習の実践事例を紹介しました。森教授は,自分に関する情報を主として言葉で他者に伝える「自己開示」,社会的に不利な要素を含む自分についての情報を他者に伝える「カミングアウト」をテーマに,受講生が自己の状況を踏まえて意見交換を行い,子どもの実態に応じて人権学習のプログラムを組み立てる原理を説明しました。柏木教授は,自身がユバスキュラ大学(フィンランド)で客員研究員としてフィンランドの英語教育やスクールリーダーについて研究している経験を踏まえ,フィンランドと日本の教育の類似と相違について触れながら,日本の教育への応用として,教科連携(CLIL)の具体例を提案しました。田中特任教授の講義では,受講生は「グローバルな企画をデザインする」というテーマのワークショップに取り組み,企画の目的や当日(現地)の具体的な取組みについてグループで考えました。
参加者からは「生徒の学習意欲を高めていくには,単に頑張れと励ますのではなく,なぜ頑張らないといけないのかを生徒自身で自己決定させることが重要だと感じた」「カミングアウトする側も受け止める側も,なぜその話をするのかコミュニケーションを図り,目的や意図を確認する必要があると感じた」「日本の教育の得意分野や課題がわかりやすく理解でき,また高校生が社会を身近に感じるような教科連携の進め方のヒントになった」「グローバルな企画をデザインするワークショップをとおして,先生方の学ぶ意欲に刺激を受けた。生徒にグローバルの意識と機会を与えられるように頑張っていきたい」などの感想が寄せられました。
次回は11/2(土)に天王寺キャンパスにて,ゴールドラット・ジャパンCEOの岸良裕司氏を講師に招き,特別講座を実施します。
(*)府立高校教職コンソーシアム…すぐれた資質を備えた次代を担う魅力ある「教員」を育てるために,大阪府立高等学校が2014年末に結成。2019年9月現在,42校が加盟している。