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12月21日@早稲田

J-clil12月例会@早稲田大学 無事終了。楽しく皆さまが前向きな雰囲気で助けていただきました。今年一年、たくさんの出会いを下さったJ-clilの皆さんに、感謝です。お楽しみワークショップも、皆さん楽しんで下さり、研究仲間にも手伝っていただいて安心でした。朝はリーガロイヤルから大隈講堂の大きな時計を眺めながら遅めの朝食と、夜の恵比寿イルミネーションも楽しみました。

私はこのJ-CLILの雰囲気が好きです。率いてくださる笹島先生や池田先生の大らかで、グローバル視野で前に進んでいかれる勢い、集まって下さる方々の、ポジティブな変化とご一緒させていただけるような雰囲気がいいのです。

の前は、楽しみにしていた東北大学のカバナ先生の講演でした。バイリンガルの視点からのL1とL2教育を聞いていて、日本のバイリンガル児童への取り組みがとてつもなく遅れている様子が、私には伝わりました。子供のバックグラウンドが、何国であろうが、日本に住んでいるなら、日本語を話す、そして、日本の文化の体験をする、それに終始することは、はたして、異なる文化を持つ互いに心が分かるということに繋がるのでしょうか。カバナ先生はその点には触れられませんでしたが、きっと大勢の日本の聴衆の気持ちを汲んでのことかもしれません。一つのことを様々な方向から見て、違いを面白いと感じる学び方、そんな日本語教育と日本語文化学習が生れてきてほしいと思います。

続いて、90分いただきました。数人の若き実践者の姿勢や眼差しや質問がまた素敵でした。21日の「フィンランドの教育」のパワポは、このホームページの「連絡パワポ欄」にアップしています。

後半のCLILグループ活動では、それまでの話を聞いている時間とはうってかわって個の学ぶ姿勢が、小さなグループを盛り上げていきます。大人の学習者の反応は、思春期前後の生徒とかなり違っています。このあたりがCLILのように参加者が自ら学ぶというWSにおいては、難しいところです。

そして。このワークショップの最後の音階とストローは、ことしのフィンランド海外教育実習の一つのトピックでもありました。夏のマレーシアのIBワークショップでも、これを題材に研究されているマレーシアの先生との出会いでも指導プロセスを議論しました。IBのテーマの中にこれが入っていました。が、その先生もまだ教材研究中だと言っていました。今週、急にハプニングで、わたしの講演の時間が少し長くなったことを聞いて、J-CLILの仲間とこの教材を通して一曲演奏したくなって、急遽、教材研究を一からやり直しました。すると、いままで時間もとれなかったこともあって、解決できなかった様々な疑問が一つ一つ溶けていきました。だけど、英語の資料読み解きから膨大な時間が必要でした。本番まであと2日しかない。そこで、パワポと、ストローや、鋏や、プリントや、チューニングのアプリや、要りそうなものをスーツケース一杯詰め込んで、新幹線ではパワポと、数学的な裏を取り、娘のマンションに到着。可愛すぎる娘の娘、アンナに会い一しきりHugをした後、すぐに取り掛かったものの、全部で12時間かかったと思います。宿泊を楽しむ予定のリーガロイヤルで、ひたすら教材づくりで、朝を迎えるという羽目になってしまいました。空が明るくなって、ホテルの庭園が浮かび上がるころやっと仮眠。材料調達と、英語の落とし込みと、理科と数学と英語。この教材で、どのようにすれば、科学的思考が促せて、参加者が自分で考えて前に進むかという授業の流れがやっと見えました。生徒が解答に行きつくために、いくつも方法がある。つまり答えが一つではない「問い」を創ることができました。数学のあるNativeの先生が、頷いてくださっており、助言もいただき、IB校出身の先生とも話が出来ました。もう少し深めてみるつもりです。このように、複合情報と専門コラボの相乗効果のシナジーを感じるためにはいくつもの困難があります。それを超えられるかどうかということは、実践研究者の専門知識のみでは無理で、倫理と人間性も必要になります。学ぶのは生徒であり、良い教材が作れたという単なる教師の自己満足であってはなりません。

今、日本では、カリキュラム・マネージメントという言葉が、急に広まっています。合科をくっつけて貼り合わせるのは難しくないかもしれません。しかし、合科した授業を本当に深化させることは、果てしなく難しい。その、魅力と同時に、その難しさに気づいている人はまだ多くないと思います。特に日本において、そこに英語でと加わると迷走することさえあります。今年の経験が、次に繋がるだろうと感じた日でした。フィンランドでは既に、この異専門連携(Multidiciplinary Approach)の葛藤と困難を研究されている T.Morton氏がいます。Research Gateを通してこれについて議論をしたことがあります。近い将来日本でも課題となって浮かび上がってくると思います。

 

それはともかく、J-CLILは、心からずっと参加し続けたいと思う学会には違いありません。J-CLIL東京運営の皆さん、心よりお疲れさまでした。